”no index” ウェブページを検索結果に表示させないようにする方法
某価格比較サイトが,投稿されたユーザーからの口コミを検索結果に表示されないようにしていた,ということが話題になっていました。
あるウェブページをグーグルなどの検索にかからない(検索結果として表示されない)ようにするには,”noindex”という メタタグを,表示されたくないウェブページに(HTMLで)書き込んでおきます( 参考:グーグル「メタタグを使用して検索インデックス登録をブロックする」。
そうすると,ウェブページの情報を収集するプログラム(クローラー)が,「このウェブページは検索結果として表示されることを希望していないんだな」と認識してくれます。
さて,検索結果として表示されないようにしたことについて,少し見た限りですが,サイト運営会社に対するネット上の意見は非難・批判的なものが大勢という状況でした。
しかし,一般論として,ネット上の掲示板等に投稿された情報が第三者の権利を侵害している(名誉毀損,プライバシー侵害,侮辱等)場合,掲示板等の管理者はその情報を削除すべき義務を負うことになります。
ただし一方で,投稿された情報を投稿者の承諾なく削除してしまうと,「なぜ勝手に削除してしまったのか」ということで,今度は掲示板等の管理者が責任を追及されてしまう可能性があります。
そこで,このような「板挟み」状態を解決するため,プロバイダ責任制限法では,掲示板等の管理者が情報を削除(法律上は,「送信を防止する措置」といいます)した場合,以下の一定の要件を満たすときには損害賠償責任を免れる,と規定しています。
1)他人の権利が侵害されていると信じるに足る相当の理由があったとき
または
2)削除請求があったことを投稿者に連絡してから7日以内に,削除に同意しない旨の連絡がなかったとき
掲示板等の管理者としては,「権利が侵害されている」と主張する者から,「侵害されていると信じるに足る相当の理由」を示され,「理由がある」と判断すれば,情報を削除するということになります。
なお,今回,サイト運営会社が取った措置は,「検索結果として表示されないようにする」というものですから,厳密には,情報自体は削除されておらず,ネット上に残っています。
しかし,対象となる情報が記載されているウェブページを,「直接,URLを入力する」という方法や,「別のウェブページからたどり着く」という方法で閲覧するケースは非常にまれであり,一般には,キーワードを入力して検索結果として表示されるウェブページを閲覧するということになるでしょうから,検索結果からの除外は,事実上,その情報にアクセスする手段をなくすことである,と評価して差し支えないでしょう。
その意味で,検索エンジンはインターネットが普及した現代社会における「情報についての知的インフラ」といって差し支えないかもしれません。